中小企業庁は、3月31日に事業承継・M&A後の経営革新やM&A時の専門家活用等を年間を通じて機動的かつ柔軟に補助する令和3年度補正予算「事業承継・引継ぎ補助金」の公募を開始しました。
今回から、再チャレンジを目的として、既存事業を廃業するための費用を補助する【廃業・再チャレンジ事業】が新設されています。また各事業とも申請期間を4期間設定しており、事業承継、M&Aなどのタイミングに応じた申請が可能になります。ただ4月2日時点では申請期間は公表されていません。後日事務局HPにて発信される予定です。
事業類型
●「経営革新」
経営革新に取り組む中小企業・小規模事業者を「創業支援型」「経営者交代型」「M&A型」の3つの類型に応じて支援。
・「創業支援型」…廃業を予定している者等から経営資源を引き継いでの創業を支援
・「経営者交代型」…事業承継を契機として、経営革新等に取り組む者を支援
・「M&A型」…事業再編・事業統合を契機として、経営革新等に取り組む者を支援
類型 | 対象となる経費 | 補助率 | 補助上限 |
創業支援型 | 人件費、外注費、委託費、設備費、謝金、旅費、廃棄費用等(廃業登記費、在庫処分費、解体費、原状回復費等) | 補助対象経費の2/3以内 ※補助額の内400万円超~600万円の部分の補助率は1/2 |
600万円以内 ※生産性向上要件を満たさない場合は400万円以内 ※廃業費用に関連する上乗せ額は150万円以内 |
経営者交代型 | |||
M&A型 |
※4月2日時点では「経営革新」の公募要領は発信されていません。後日事務局HPに公開されるとのこと。
●「専門家活用」
・「買い手支援型」…事業再編・事業統合等に伴う経営資源の引継ぎを行う予定の中小企業・小規模事業者を支援
・「売り手支援型」…事業再編・事業統合等に伴い自社が有する経営資源の引継ぎが行われる予定の中小企業・小規模事業者を支援
類型 | 対象となる経費 | 補助率 | 補助上限 |
買い手支援型 | 謝金、旅費、外注費、委託費※1、システム利用料、表明保証保険料、廃業費用等(廃業登記費、在庫処分費、解体費、現状回復費等) | 補助対象経費の2/3以内 | 600万円以内 ※2 ※3 |
売り手支援型 |
※1:委託費のうち、FA業務又は仲介業務に係る相談料、着手金、成功報酬等の中小M&Aの手続進行に関する総合的な支援に関する手数料に関しては、「M&A支援機関登録制度」に登録された登録FA・仲介業者が支援したものに限り補助対象経費となる。
※2:補助事業期間内に経営資源の引継ぎが実現しなかった場合は、補助上限額が300万円以内に変更となる。
※3:廃業費に関連する上乗せ額は150万円以内となる。ただし関連する経営資源の引継ぎが補助事業対象期間内に実現しなかった場合は補助対象外となる。
●「廃業・再チャレンジ」
中小企業・小規模事業者が再チャレンジを目的として既存事業を廃業する際の費用の一部を補助
対象となる経費 | 補助率 | 補助上限 |
廃業費 (廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リースの解約費、移転・移設費用) |
補助対象経費の2/3以内 | 150万円以内 |
※「経営革新」、「専門家活用」との併用申請が可能。その際は「廃業・再チャレンジ」からではなく「経営革新」または「専門家活用」から申請を行う。
「経営革新」、「廃業・再チャレンジ」の枠で申請する場合は、認定経営革新等支援機関の確認書が必要です。
弊社は、認定経営革新等支援機関であると同時に「M&A支援機関登録制度」に登録されています。事業承継及びM&Aを検討されている事業者さまにおいては、お気軽にお問合せください。