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IT導入補助金 「通常枠」で採択されるコツ 3手順(応用編)

前回は、採択されるコツ(基礎編)として、「記入不備による足切り(ノックアウト)や減点を防ぐ。」といった観点から具体策を3点説明しました。

今回は、応用編として、「目的に応えた申請内容にして、プラス点を積み重ねる。」といった観点から、採択されるコツ 3手順を説明していきます。

まずは、IT導入補助金2023 「通常枠」の公募要領に記載されている目的(事業目的)を改めて確認しましょう。

<事業目的>
本事業は、中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイスの導入)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が生産性の向上に資するITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入するための事業費等の経費の一部を補助等することにより、中小企業・小規模事業者等の生産性向上を図ることを目的とする。

以上より、申請時にアピールするべきポイントは次の2点であることが分かります。

  1. ITツール導入の契機が、「今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等への対応」になっていること。
  2. 適したITツールを活用して、「生産性向上」を図ろうとしていること。

ただ、上記2.の「生産性向上」というキーワードは、ちょっと抽象的で何をアピールすればよいのかピンときません。
つまり、申請者側としては、「審査員が、「生産性向上」に、どんな取組みを期待しているのか」をもう少し深く理解しておく必要があります。
そこで、IT導入補助金2023 通常枠の公募要領の審査項目を確認してみると、以下の内容が記されております。

<事業面>

  • 自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているか?
  • 自社の状況や課題分析及び将来計画に対し、改善すべきプロセスが導入する「ITツール」の機能により期待される導入効果とマッチしているか?
  • 内部プロセスの高度化、効率化及びデータ連携による社内横断的なデータ共有・分析等を取り入れ継続的な生産性向上と事業の成長に取り組んでいるか? 等

以上をザックリ要約すると、審査員は次の取組みを期待していることが分かります。

  • 生産性向上は、自社の課題を経営視点で理解し、その対応策として「全体最適」な取組みになっていること。(場当たり的な部分最適な取組みは望んでいない。)
    • 全体最適とは、『企業や事業などの組織全体を最適な状態にする』という考え方
    • 部分最適とは、『組織の一部や個人にとって最適な状態を優先する』という考え方

改めて、申請時にアピールするべきポイントを整理すると、以下の3点となります。

  1. ITツール導入の契機が、「今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等への対応」になっていること。
  2. 適したITツールを活用して、「生産性向上」を図ろうとしていること。
  3. 生産性向上は、自社の課題を経営視点で理解し、その対応策として「全体最適」な取組みになっていること。

ただ、上記3点は、申請を記入する際に、即興で記述できる内容でないことはお分かりいただけると思います。つまり、申請する前に、経営層やIT事業者等と、ITツール導入の狙いや活用方法、導入効果等をすり合わせる必要があります。

つきましては、以下で、「採択されるコツ 3手順」として、審査員が期待している申請内容に仕上げる手順を説明していきます。

 

採択されるコツ 3手順

  1. 自社の状況と経営課題を理解し、全体最適の視点でIT導入の目的や取組みを明確にする。

    以下の項目を経営層と検討したり、IT事業者に相談して固めていってください。

        • ITツール導入の契機はなにか?
        • 自社の強み、弱みはなにか?
        • 今回のITツール導入は、どういった経営課題に対応していくのか?
        • ITツールをどの業務に適用し、どのように活用していくのか?
        • ITツールを活用して、社内横断的もしくは社外連携の視点で、プロセスの高度化やデータ連携等により、全体最適な生産性向上が図れないか? 等
  2. 上記 Ⅰ.をベースに労働生産性の計画数値を3年分策定する。

    • IT導入後の効果としてⅠ.で検討した結果が、売上,原価,従業員数,年間の平均労働時間にどのように影響してくるのか数値化していきます。到達可能で妥当性のある計画数値を策定してください。
  3. 申請書に上記 Ⅰ.Ⅱ.の検討結果を反映させていく。

    申請書において、上述した「申請時にアピールするべきポイント」を表現できる箇所は限られています。ついては、以下に表現できる箇所と留意点を記します。

      1. 基本情報の「事業内容」(255文字のフリー入力)で契機をアピール
        • ここでは、自社(自己)の事業概要を説明し、今回の補助事業で導入するITツールをどのように活用するのか具体的に記載する必要があります。ここで、ITツール導入の契機を簡潔に記載しておくのがよいと考えます。
      2. 「経営状況について」で、全体最適な取組みをアピール
        • 上記I.で整理した情報をベースに、一貫性のある回答をしていってください。
      3. 「労働生産性指標」で、全体最適な取組みの効果をアピール
        • 労働生産性指標は、IT事業者が入力を担当します。つきましては、上記Ⅱ.で策定した計画は、IT事業者に情報連携してください。

以上となります。

 

IT導入補助金は、補助事業計画等を文書形式で提出する必要がないため、他の補助金に比べ申請内容が簡略化されております。しかし、採択が厳しい通常枠においては、結局のところ補助事業計画で問われる情報を明確にした上で、申請書に反映させていくことが採択への近道になると考えます。今後、皆さまが申請される際の参考になれば幸いです。

その他、採択率を上げるコツとして、公募要領の「加点項目について」で記されている取組みが有効になりますが、全ての事業者に当てはまらないため割愛しております。

最後に、コムラッドファームジャパンでは、IT導入補助金の申請支援サービスを提供しております。お困りごと等があればご相談ください!

 

 

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この記事を書いた人

神木英人

神木英人

IT導入補助金をはじめ、事業再構築補助金やものづくり補助金等の申請を支援しています。特に、IT導入補助金においては、昨年だけで100件以上の申請を支援した実績があります。IT導入補助金でのベンダー登録やツール登録、交付申請等でお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください!

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