IT導入補助金2023は、2023年8月1日以降の申請受付が『後期事務局』に変更されたことに伴い、申請システムも変更されました。
一方で、最近、ITベンダー・サービス事業者の方から以下の質問をよく受けます。
「IT導入支援事業者として当社を登録したいんだけど、当社は登録できますか?」
「IT導入支援事業者登録の要領や手順が、今一つよく分からないんです。。」
「コンソーシアムという登録形態があるが、どんな時に選択すればよいのでしょうか?」
そこで、今回は、そういった疑問にお応えするとともに、要領よく申請するコツを説明していきます。
その前に、まずは前提知識となる「IT導入支援事業者の定義」と「ITツールの定義」と「事業スキーム」を説明し本題に入っていきます。
【IT導入支援事業者の定義】
IT導入支援事業者とは、ITツールの導入により生産性の向上を目指す中小企業・小規模事業者等と共に事業を実施するパートナーとして、中小企業・小規模事業者等に対するITツールの説明、導入、運用方法の相談等のサポート、及び補助金の交付申請や実績報告等の事務局に提出する各種申請・手続きのサポートを行う事業者。事務局に登録申請を行い、事務局及び外部審査委員会による審査の結果、採択される必要がある。
【ITツールの定義】
ITツールとは、本事業においてIT導入支援事業者が提供し、かつ事務局に事前登録された中小企業・小規模事業者等の労働生産性向上に資するソフトウェア・オプション・役務・ハードウェア(一部のハードウェアは事前登録不要)の総称である。
【事業スキーム】
IT導入補助金は、IT導入支援事業者(ITベンダー・サービス事業者)とITツールを導入したい申請者/補助事業者が「共同事業体」となって、IT導入補助金事務局に交付申請を行います。
IT導入支援事業者登録を要領よく申請するコツ5選
1.IT導入支援事業者の登録形態を決める。
IT導入支援事業者の登録形態は、「法人(単独)」「コンソーシアム」の2つあります。
通常は、「法人(単独)」での登録形態になるかと思われますが、次のような場合は「コンソーシアム」で登録する必要があります。
- 補助事業者(申請者)からITツールの代金の支払いを受けるIT導入支援事業者が複数者存在する場合
- 個人事業主がIT導入支援事業者として登録が必要となった場合(個人事業主はコンソーシアムの構成員としてのみ登録が可能)
※詳細は、IT導入支援事業者 登録要領の「(4)IT導入支援事業者の登録形態」を参照ください。
尚、以降では、登録形態として「法人(単独)」を選択したケースを想定して説明していきます。
2.IT導入支援事業者[法人(単独)]の登録要件のポイントを押さえる。
登録要件は細かな点は色々ありますが、ポイントを以下に記します。ざっくり、そこまでハードルは高くない印象です。
- 登録申請時点において、日本国内で法人登記(法人番号が指定され国税庁が管理する法人番号公表サイトにて公表されていること)され、日本国内で事業を営む法人であること。
- 1期の決算を迎え、税務署の発行する法人税の直近の納税証明書が提出可能であること。
※詳細は、IT導入支援事業者 登録要領の「3.IT導入支援事業者の登録要件」を参照ください。
3.登録申請時に添付書類を事前に手配しておく。
登録申請時に以下の書類を電子データ(PDF等)で添付する必要があるため、事前に手配しておきましょう。
- 履歴事項全部証明書写し(発行から3か月以内のもの)
- 税務署の発行する法人税の直近の納税証明書(その 1 又はその 2)
4.登録申請時に入力する情報項目を把握し準備をしておく。
ここが最も重要な項目になります。
登録申請時に入力する情報項目を以下に記します。(IT導入支援事業者登録の手引きの「2-2 登録申請に必要な情報」より抜粋)
下図の情報項目にそって、事前に該当する情報を揃えた上で一括入力することをお薦めします。
特に、次に挙げる情報項目(下図で赤色マーキング箇所)については、審査時の重要情報項目となりますので、検討の上作成ください。
- 会社概要:基本情報に加え事業の特徴や強み等を1000文字以内でご紹介下さい。
- 申請者向け会社紹介コメント:申請者へアピールする文面を作成して下さい。こちらは事務局HPに掲載されます。
- 製品の概要説明:次の2点を説明してください。①製品概要の説明。②導入事例の説明(導入先業種・規模感・導入時期・課題解決内容等)
5.IT導入支援事業者登録の手引きを参照して登録申請を正確に行う。
IT導入支援事業者登録の手引きの「3.登録申請の入力画面イメージ」を参照しながら、IT導入支援事業者ポータルにログインし、正確な情報入力を進めてください。
※重要※事業者情報の入力を進めて行き、最後の「入力完了」ボタンを押してしまうと、その後の修正ができなくなりますので、十分に確認した上で「入力完了」のボタンを押してください!
以上となります。
次回は、ITツール登録を要領よく申請するコツを説明します。