完全成果報酬の補助金支援サービス
補助金の右腕

補助金の活用と一緒に組織改革も進めよう!

補助金を活用した新たな設備導入によるプロセスイノベーションを進める事業所さんは数多く存在します。しかしながら、期待通りの効果が得られていない事業者さんもいらっしゃるのではないでしょうか?今回のブログでは、イノベーションを推進するための組織とはどうあるべきかをお話します。

 

1. イノベーションは天才だけのもの?
「代表的なイノベーターは?」と質問されて、思い浮かぶ人物は誰でしょう。”T型フォード”で産業と交通のイノベーションを起こしたヘンリー・フォード?それとも”iPhone”や”iPod”などの革新的な商品を次々に世へと送り出したスティーブ・ジョブズ?イノベーションの事例では、このように希代の人物に焦点が当てられて紹介されることが多いので、「イノベーターとは一握りの天才」のことだと思っている方も多いでしょう。しかしながら、その答えは否。経営学の巨人ピーター・ドラッカーは「イノベーションは天才によるひらめきではない。それは、ハードな働きである。」と言っています。これまでの通説にとらわれず、自由な発想で物事を捉えることができれば、誰でもイノベーターになれる可能性があるということです。

 

2. そもそも日本人のイノベーション能力は高いのか?
人々を笑わせ、そして考えさせられる研究に贈られるイグノーベル賞に日本人が2007年から15年連続で受賞しているのをご存知ですか?このイグノーベル賞、侮るなかれ、本家のノーベル賞を受賞した研究者がいるほど凄い賞なのです。一方、本家のノーベル賞はというと、内閣府が発表している自然科学系のノーベル賞の受賞数をみると、2001年以降、米国に次いで日本は第2位の位置にいます。これらの数値だけをみると、日本人のイノベーション能力は”世界のトップレベル”と言っても過言ではありません。

 

3. 何故、日本企業はイノベーションを発揮できない?
少し古いデータで恐縮ですが、世界経済フォーラム(以下、WEF)国際競争⼒レポートにおけるイノベーションランキングによると、⽇本はこれまで4位から5位の間を推移していましたが、2016-2017年版では8位に後退しています。内閣府は、この理由として⽇本のCapacity for innovation(イノベーション能⼒)のスコア・順位が2013-2014年版以降低下傾向にあることを挙げています。本サブ項目が低下した背景には、2013-14年版以降に質問内容が、”⾃前の研究開発能⼒”を問うものから、”イノベーション能⼒”を問うものになったため、評価が下がり、スコアと順位が低くなった可能性を指摘しています。近年、日本企業のイノベーション停滞を指摘する声が聞こえますが、このデータからもその事実を読み取ることができます。

図1.WEF国際競争⼒レポートにおけるイノベーションランキングの経年推移

出所:未来投資会議 構造改革徹底推進会合「第4次産業革命(Society5.0)・イノベーション」会合(イノベーション)(第2回)

 

図2.イノベーションランキングのサブ項⽬のスコアの経年推移(⽇本のみ)

出所:未来投資会議 構造改革徹底推進会合「第4次産業革命(Society5.0)・イノベーション」会合(イノベーション)(第2回)

 

何故、個人のイノベーション能力は高くて、日本企業のイノベーション能力は低いのでしょうか。iPhoneやiPodのアイデアは、日本企業の技術者も持っていたという話を聞いたことがあります。つまり”組織が個人のイノベーション能力をうまく引き出せていない”ということです。イノベーションの大家、クレイトン・クリステンセンの著書「イノベーションのDNA」(注1)を参考にしながら、イノベーションを起こすための組織作りについて考えていきたいと思います。

 

4. イノベータに必要な5つの力
イノベーションのDNA(以下、本書)は8年もの時間を費やし、500名を超えるイノベータと、5,000人を超える企業幹部の調査データから「イノベータ DNA」 と呼ぶ5つのスキルを導き出しています。本書によると、イノベータに共通する5つのスキルとして、認知的スキルである①「関連づけ思考」、そして4つの行動的スキルである②「質問力」、③「観察力」、④「ネットワーク力」、⑤「実験力」をあげています。そして、イノベーションを起こす能力は、本書では「けっして先天的なものではなく、後天的に育成できる」と結論づけています。

 

5. イノベーションを起こすための組織作り
何故、個人のイノベーション能力は高くて、日本企業のイノベーション能力は低いのでしょうか?本書によると、「イノベータたちは一般的な企業幹部と比べて4つの行動的スキルに1.5倍もの時間を費やしている。一方で、一般的な企業幹部は、ビジョンや方針を明確な目標に変えて、実現するために具体的なタスクに落とし込む能力に長けており、①【分析】、②【企画立案】、③【行き届いた導入】、④【規律ある実行】の4つの実行力に秀でている」と指摘しています。一般的に成熟し衰えゆく組織は、「この4つの実行力で選ばれた人材が最高経営層を占めている」と述べています。

筆者の勝手な思い込みかも知れませんが、日本は「個人より社会を、実力より年功を重視」する企業が多いように感じます。特に歴史や伝統のある企業では、その傾向はより一層強くなるものと推測します。アマゾンやアップルといった世界的にイノベーティブな企業には、イノベーションを深いところで理解するリーダーがいて、このリーダーが陣頭指揮を執っています。イノベーションを望むならば、チームや組織の最高経営層に創造的スキルを持つ人材を登用することが必要になります。しかしながら、5つのスキルに優れた人材をチームや組織に集めることは重要ですが、5つのスキルに優れた人材だけでチームや組織を構成するのは危険です。イノベーティブなチームを巧みに率いるリーダーは、自らの発見力と実行力の強弱を認識し、自らの弱みを他のメンバーの強みによってしっかり補強しています。5つのスキルに優れた人材と4つの実行力に秀でた人材が互いに影響し合い、学び合い、支え合うことで、イノベーションの強力な相乗効果を生み出す土台ができると筆者は考えています。

 

6. 設備導入と組織改革は両輪で!
本書の第二部では、イノベーティブなリーダーが率いるイノベーティブな組織のDNAがどのようなものなのかについて言及しています。イノベーティブな組織のDNAには、往々にして創設者のDNAが組み込まれていて、自分に似た人材(People)を集め、イノベーションに必要なスキルを高めるプロセス(Process)を導入し、哲学(Philosophy)を育むという3Pの枠組みが提示されています。本書の192~193頁に、「組織/チームのイノベーション能力チェック」が掲載されていますので、是非一度試してみてください。点数が低いようですと、読者のチームもしくは組織のイノベーションは停滞しているかもしれません。補助金を活用して設備を導入する時に、イノベーティブな組織に生まれ変わる取り組みも行ってみては如何でしょうか。その際には、弊社の組織改革コンサルティングも一緒にご検討ください。

注1:参考図書
クレイトン・クリステンセン / ジェフリー・ダイアー / ハル・グレガーセン(2012)
『イノベーションのDNA-破壊的イノベータの5つのスキル』 翔泳社

 

弊社は製造業に特化して補助金の申請支援を行っているチームがございます。ものづくり補助金や事業再構築補助金等で申請実績も豊富で、高い採択率を誇っています。製造業事業者の方、または設備メーカー様や設備商社様からのご相談も喜んで承りますので、お気軽にご相談ください。

ご相談は以下のリンクをクリック。

ご相談・お問合せ

ご相談内容別窓口

この記事を書いた人

村田能教

村田能教

「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」等の補助金申請をサポートしています。特に、製造業の事業者向けにおいては採択率95%以上の非常に高い採択実績を誇ります。設備導入にあたり補助金を活用したいというご要望がございましたら、お気軽にご相談ください!

おすすめ記事

どのページをお探しですか?