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2024年度補助金動向①:「事業再構築補助金」を分かりやすく解説(続報更新 23/11/28)

事業再構築補助金

政策パッケージ、政策パッケージを実行するための予算「令和5年度補正予算案」が閣議決定されたことによって次年度の補助金動向が見えてきました。
そこで数回に分けて2024年度の補助金動向について分かりやすく解説していきます。

今回は「事業再構築補助金」のその後について見通しを解説いたします。

 

事業再構築補助金は無くなるのか

令和5年度補正予算案において「事業再構築補助金」に対して新たな予算措置は行われませんでした
すなわち、現在実施されている令和4年度補正予算の執行が終わり次第、新規公募がストップされます。
もともと中小企業のコロナ対策補助金として登場しましたが、現状を見るとその役割は終えたと考える方が自然です。
そのため事業再構築補助金が終了することは仕方のないことだと思います。

ここまで11回公募が行われ、現在第12回の公募開始待ちとなっています。
第12回公募からいつから始まるのか現状不透明な状況です。

というのも、11月12日に実施された「秋の行政事業レビュー」において専門家より
・抜本的に事業を構築し直すべき
・新規採択は一旦停止すべき
といった厳しい意見が出されており、公募内容の見直しなども必要な状況から見通しが不透明な状況です。

 

では予算がなくなったのかと言われるとそうではありません。
令和4年度補正予算にて5,800億円の予算が計上され、さらに過去の基金で積み上げられた予算の余りも踏まえると、予算は余っている状況です。
しかし、この余っている予算は新設する「中小企業省力化投資補助事業(省力化補助金)」に再編されることが決まっていますので、丸々事業再構築補助金に使われることはありません。
では、結局「事業再構築補助金」は実施されるのか、無くなるのか。

1つの資料から推測することができますので、その結果をまとめたいと思います。

 

今後の事業再構築補助金の公募を予想する

見るべき資料は以下です。
令和5年度基金シート

いくつか基金シートから計算に使用する数字を拾ってきます。

第9回公募の採択金額 92,483,185,941円
今年度以降実施予定の公募回の採択見込み額 856,996,020,939円

この2つから推測していきます。

第9回の採択件数は「4,259件」でした。
約925億円の予算が使われたので、1件あたりの平均採択金額は「21,714,765円」となります。
第10回以降、第9回と同じ平均採択金額であると想定します。

 

第10回は採択結果が出ていて全体で「5,205件」の採択数となりました。
ここで消化された採択金額は「113,025,354,032円」(約1130億円)となります。

また、すでに申請が締め切られている第11回。
こちらは第10回と同程度の「5,000件」の採択があると想定します。
すると、第11回で消化される採択金額は「108,573,827,120円」(約1086億円)となります。

 

第10回と第11回の採択金額を合算すると「221,599,181,152円」(約2216億円)。
基金シートで確認した「今年度以降実施予定の公募回の採択見込み額」は、資料が作成されたタイミングを考えると第10回以降で公募する採択見込み額と想定されるので、すでに公募された第10回と第11回の採択見込み額を引いた残高は、「635,396,839,787円」(約6354億円)となります。

 

この予算残高から考えると、これまで1回あたり約1,000億円が消化されているので残り「6回」公募が行われるだけの予算が残っていると推測できます。
しかし、この予算から「4000億円」は新設される省力化補助金に組み込まれると公言されています。
これを踏まえると事業再構築補助金の残予算は「約2,300億円」程度と想定されます。

 

以上より、これまで通りの形で公募されれば残り2回分程度の予算は残っているため、事業再構築補助金の公募は完全に無くなることはなさそうです。
もちろん基金をなくし国庫返納という形が取られてしまうと無くなるかもしれませんが。。。。

現実的には事業再構築補助金の見直しをした上で省人化補助金と合わせて複数回にわたって公募されるものと想定されます。
1回あたりの予算消化額は従来の「1,000億円」よりは少ないものになると思います。

 

(2023年11月28日追記)事業再構築補助金の継続決定!

2023年11月28日日刊工業新聞の報道より、事業再構築補助金の見直し内容が発表されました。
これにより公募そのものは想定通し実施されることが確実になりました。

主な見直しの内容は以下の通りです。

  • 申請枠は従来の6枠から3枠へ集約(「成長枠、グリーン成長枠、産業構造転換枠」が「成長分野進出枠」の1つに集約、「物価高騰対策・回復再生応援枠、最低賃金枠」が「コロナ回復加速化枠」の1つに集約、サプライチェーン強靭化枠はそのまま)
  • 審査にAIを取り入れて、計画書の使い回しなどの予防を徹底
  • 似たようなトピック(サウナ、ゴルフ、サロンなど)の申請が集中したらAIで検知して審査を厳格化
  • 事前着手制度は撤廃

とのことです。
参考:日刊工業新聞

ひとまず公募されることは確定しましたので弊社でも引き続き支援体制を強化してまいります。

 

まとめ

事業再構築補助金については厳しい目にさらされていることもあってすぐにでも無くなることも想定されました。
ただ、数字を確認してみると0になるということもなさそうだともわかりました。

最終的には今後の公募発表を待つしかありませんが、従来の枠の見直しが行われ、引き続きコロナで厳しい事業者や最低賃金引き上げの事業者、成長分野などに挑戦する事業者を対象にした申請類型を残し規模を縮小してあと1年公募が行われると思います。

弊社では引き続き事業再構築補助金の申請支援は実施してまいりますので、もし事業再構築補助金についてご相談などございましたら、弊社までお問い合わせください。

 

 

 

ご相談内容別窓口

この記事を書いた人

平阪 靖規

平阪 靖規

2012年4月に「中小企業診断士」登録。2013年04月の独立後より補助金を始めとする中小企業施策の支援に従事。中小企業施策を企画する行政と利用する中小企業・小規模事業者の橋渡し役としての任務を全うすることに力を注いでいる。株式会社コムラッドファームジャパン 代表取締役。

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